胡弓の演奏・講演において、胡弓の体験講座を体験していただくために、また、継続した胡弓講座のために、多数の胡弓を準備する計画を進めています。これまでの製作技術と材料・道具を活用して、この講座に活用できる木製大胡弓を、製作することが可能となりました。材料や手間をかけた奏用レベルとまではいきませんが、かなり良い音の木製代胡弓ができつつあります。
三味線の棹をもとに、弦長68cm程となるように棹の長さを短くします。この長さは、長年の大胡弓の製作・設計で得た値です。絹糸の3の糸の18番やギターのライトまたはコンパウンドの1弦が活用できます。この講座用は、金属弦を使用する予定です。
よい音を引き出すためには、このように、黒檀などの指板を棹に張り、曲面仕上げを施しますが、体験用は基本的に、この工程は行いません。音色は、ある程度良い音がします。
胴体の厚みは、三味線より3cm薄くしてあります。最も重要なことは、1.表板・裏板とも、よい音のする板を使うことです。今回、杉板を使用しました。2.板の中央部分は、4mm程度、側面板に接着する部分は1mm程度にまで、薄くします。表板の裏側の低音側には、バスパー(力木)が張り付けられています。
表板に、サウンドホールを開けます。ここから魂柱を差し込みます。
表板下部に、弦から表板を保護するためと、3本(または4本)弦の、並びを駒の曲線にあわせるために、2弦を一番高くした象牙片を張り付けます。
こうして、仕上がった木製大胡弓に弦をはり駒の高さを調整して、音色を確認します。その音色をお聞き下さい。木製大胡弓(塗り前の段階)「浜千鳥」
仕上げ前の駒です。最終的には、駒の下部を削り、足を作ります。
拭き塗り油性ニスを塗りました。